出走予定馬プロフィールと分析
各馬の血統・戦績・直近の内容・追い切り・騎手について、表で基本情報をまとめ、箇条書きでポイントを解説します。特にトッピボーンは詳細に言及します。
エムズ (牡3) Em’s
血統: 父ドゥラメンテ|母ライフフォーセール (母父Not For Sale)
生産: ノーザンファーム(安平町)
戦績: 2戦2勝(芝2000m~2200m) – 新馬戦・1勝クラスを無傷の2連勝
主な近走: 2025年大寒桜賞 (中京芝2200m・1勝クラス) 1着
最終追い切り: 5/7栗東坂路☆55.0-39.8-25.7-12.6(単走)
騎手: 松山弘平(継続騎乗)
- 血統背景: 半姉に阪神JF含む重賞6勝のダノンファンタジーがいる良血馬。アルゼンチン産G1馬でもある母ライフフォーセールの仔で、スタミナと切れ味を兼備。
- 戦績・クラス: 昨年12月の新馬戦(中京芝2000m)を勝利し、今年3月の大寒桜賞では3馬身半差の完勝でデビュー2連勝。オープンクラス初挑戦となるが、ここまで内容は優等生。
- 直近レース: 大寒桜賞では序盤2番手追走から直線あっさり抜け出し、2着馬に0.6秒差つける完勝。勝ちタイム2分13秒6(良)でスローペースを34.4秒の鋭い上がりでまとめ、ルメール騎手から「パーフェクト」と称賛された。
- 追い切り: 最終追いは坂路で単走追い。前走後も順調で、前日の雨でやや力の要る馬場でもラスト1F12秒6と力強い伸びを見せた。1週前にはCWコースで長めから併せ馬で負荷をかけ、仕上がり良好。
- 騎手: デビューから松山弘平騎手が手綱を取り続けており、今回も継続騎乗。レース間隔5週でコンビの息は合っており、重賞の舞台でも安定した走りが期待される。
オーシンエス (牡3) O Shin Es
血統: 父Declaration of War|母アナザーワールド (母父ディープインパクト)
生産: タバタファーム(日高町)
戦績: 6戦1勝(芝2000m中心) – 3歳未勝利を1勝、現級1勝クラス
主な近走: 2025年ゆきやなぎ賞 (阪神芝2400m・1勝クラス) 10着
最終追い切り: 5/7栗東CW6F84.1-68.0-53.5-38.8-12.1(強め)
騎手: 高杉吏麿 → 今回: 国分恭介(乗替わり)
- 血統背景: 母アナザーワールドはディープインパクト産駒で、祖母に米G1馬がいる血統。父は欧州マイルG1馬のDeclaration of Warで、持続力勝負に強い配合です。タバタファーム生産で馬主は大田慎治氏。
- 戦績・クラス: 未勝利戦を今年2月に小倉芝2000mで勝ち上がり、1勝クラスに昇級。通算6戦1勝、3着1回と掲示板止まりが多く、オープン重賞は初挑戦。勝利した未勝利以外は掲示板圏内が精一杯で、現級でも苦戦傾向。
- 直近レース: 前走ゆきやなぎ賞では道中後方から伸びきれず12頭中10着。しかし勝ち馬と0.8秒差と着順ほど大きく負けておらず、スローペースの中で位置取りが後ろすぎた印象。その前走から7週の間隔で立て直しを図る。
- 追い切り: 最終追いはCWコースで長めから一杯に追われ、6F84秒1~1F12秒1を計時。併せ馬で先行する形から直線で一杯に追われましたが、僚馬に半馬身先着。動き自体はまずまずで、中間も坂路中心に乗り込まれ状態は維持。1週前もCWで長めから負荷をかけており仕上げは入念です。
- 騎手: デビュー以来コンビを組んだ高杉騎手から、今回は国分恭介騎手に乗り替わり。実績豊富な騎手ではありませんが、減量経験もある騎手で軽量を活かした積極策が期待されます。初コンビで新味を引き出せるか注目です。
キングスコール (牡3) King Squall
血統: 父ドゥラメンテ|母レインオンザデューン (母父Frankel)
生産: 飛野牧場(新ひだか町)
戦績: 4戦2勝(芝1800m~2000m) – デビュー2連勝、重賞G23着あり
主な近走: 2025年皐月賞 GⅠ (中山芝2000m) 7着/2025年スプリングS GⅡ 3着
最終追い切り: 5/7栗東CW6F81.9-66.5-51.4-36.6-11.2(一杯)
騎手: 前走: 藤岡佑介 → 今回: 坂井瑠星(新コンビ)
- 血統背景: 母レインオンザデューンはFrankel産駒で、本馬はその初仔。父ドゥラメンテ譲りのパワーに加え、祖母系には欧州の持続力があり、中長距離向きの良血です。DMMドリームクラブのバヌーシー馬で、矢作芳人厩舎の管理馬。
- 戦績・クラス: 新馬戦と1勝クラスを連勝して臨んだスプリングステークス(GII)で3着と健闘。続く皐月賞(GI)でも7着と掲示板まであと一歩の走りを見せ、重賞で揉まれた経験があります。収得賞金は既に重賞級で、今回は中2週でのGII参戦。
- 直近レース: 前走皐月賞はスタートで立ち上がるように出遅れ、道中後方からの競馬になりましたが、直線でしぶとく脚を伸ばし8番人気ながら7着と健闘。勝ち馬とは0.6秒差。前々走のスプリングSも出遅れて後方から追い込み3着に来ており、ここ2戦はスタート難が響いています。
- 追い切り: 最終追いは坂井騎手が跨りCWコースで3頭併せ。一杯に追われて6F81秒9-1F11秒2の好時計をマークし、併せ馬にしっかり先着。「この馬にしては動いている」と田代厩務員も順調ぶりを強調しており、ゲート練習も中間取り入れて課題克服に努めています。距離2200mへの延長も「心肺機能が高く問題ない」と陣営は前向き。
- 騎手: 前走まで手綱を取った藤岡佑介騎手に替わり、今回は坂井瑠星騎手との新コンビ。坂井騎手は矢作厩舎の主戦の一人で、この馬でも今年初戦に騎乗経験があります。クラシック戦線で培った経験を活かし、好位からの安定した騎乗が期待されます。
コーチェラバレー (牡3) Coachella Valley
血統: 父キズナ|母キャンプロック (母父Myboycharlie)
生産: ノーザンファーム(安平町)
戦績: 2戦1勝(芝2000m中心) – 新馬戦勝ち、1勝クラス3着
主な近走: 2025年ゆきやなぎ賞 (阪神芝2400m・1勝クラス) 3着
最終追い切り: 5/7栗東CW5F68.2-52.9-38.5-11.9(強め)
騎手: 北村友一(継続騎乗)
- 血統背景: キャロットファームのクラブ馬。父キズナ譲りの底力と、母キャンプロックは仏G3馬で欧州血統(父Myboycharlie)という配合です。ノーザンファーム生産で、半兄姉に目立つ活躍馬はいないものの、本馬は素質馬として期待されています。
- 戦績・クラス: 今年2月小倉のメイクデビュー芝2000mを圧勝し新馬勝ち。続く3月の1勝クラス・ゆきやなぎ賞(阪神芝2400m)で3着に善戦し、今回が3戦目となります。キャリアは浅いですが、掲示板を外しておらず能力の高さを示しています。オープン重賞は初挑戦。
- 直近レース: 前走ゆきやなぎ賞はスローペースの中団から直線でしっかり伸びて3着。勝ち馬と0.2秒差の僅差で、初距離2400mも克服しました。上がり3Fはメンバー最速タイの34.7秒で、瞬発力を発揮しています。距離延長の2200mは問題なく、むしろ持ち味を活かせる展開になりそうです。
- 追い切り: 最終追いはCWコースで5Fから強めに追われ、終い1F11秒9の伸びを見せました。僚馬と併せる形で馬体を並べると力強く反応し先着。デビュー前から調教駆けするタイプで、今回も好状態をキープ。1週前には坂路で軽めに乗られ、馬体の張りも上々です。
- 騎手: デビュー戦から手綱を取る北村友一騎手が引き続き騎乗。新馬戦では好位抜け出し、前走では末脚勝負と、コンビで異なる戦法を経験済み。レースぶりに幅が出てきており、重賞のペースでも巧みに立ち回ることが期待されます。
ショウヘイ (牡3) Shohei
血統: 父サートゥルナーリア|母オーロトラジェ (母父オルフェーヴル)
生産: ノーザンファーム(安平町)
戦績: 3戦1勝(芝1800m主体) – 新馬2着→未勝利1着→GIII4着
主な近走: 2025年きさらぎ賞 GIII (阪神芝2000m) 4着
最終追い切り: 5/5栗東CW6F82.0-66.7-52.6-37.7-11.9(強め)
騎手: 川田将雅(新コンビ)
- 血統背景: 馬名は野球の大谷翔平選手にちなむとも言われ、伯母に牝馬二冠ミッキークイーンがいる良血馬。父サートゥルナーリア(ロードカナロア×シーザリオ)、母父オルフェーヴルとクラシック血統の粋を集めています。友道康夫厩舎所属。
- 戦績・クラス: 昨年11月阪神の新馬戦(芝1800m)で2着発進。年明け1月に京都の未勝利戦(芝2000m)を勝ち上がり、続く重賞きさらぎ賞(GIII)で4着と善戦しました。通算3戦1勝2連対で、前走の重賞経験が今回に活きる可能性があります。オープンクラス2戦目。
- 直近レース: 前走きさらぎ賞では4番人気に支持されましたが、レース序盤で若干行きたがる面を見せつつも折り合いは許容範囲。直線は内で少し伸びを欠き0.3秒差の4着でした。勝ち馬とは僅差で、重賞初挑戦としては上々の内容です。前走後に課題だったもたれ癖も改善傾向にあり「筋肉の張りをもう一段上げれば更に良くなる」と陣営(大江助手)は手応えを掴んでいます。
- 追い切り: 最終追いはCWコースで長めからしっかり負荷をかけ、終い1F11秒9をマーク。僚馬を追走して直線で併入する内容で、動きには力強さがありました。前走時よりフォームのブレも少なく、気性面の成長が窺えます。1週前もCWで6F81秒台を計時し、好調キープ。
- 騎手: 今回は川田将雅騎手に乗り替わりとなります。デビューから前走までは藤岡佑介騎手や古川奈穂騎手が騎乗しましたが、川田騎手はクラシックでの実績も豊富な名手です。初コンビですが、友道厩舎×川田騎手のコンビはダービー3勝の黄金コンビでもあり、ここでの手綱捌きにも注目が集まります。
デルアヴァー (牡3) Del Avar
血統: 父Frankel|母アムールブリエ (母父Smart Strike)
生産: North Hills Co.(米国産)
戦績: 6戦2勝(芝2000m) – 未勝利→1勝クラスを勝利、リステッド競走出走経験あり
主な近走: 2025年ひめさゆり賞 (福島芝2000m・1勝クラス) 1着/2025年若葉S (阪神芝2000m・L) 6着
最終追い切り: 5/7栗東坂路☆53.8-38.8-24.9-12.3(馬なり)
騎手: 荻野極(継続騎乗)
- 血統背景: 米国で生まれたノースヒルズ生産馬。母アムールブリエは地方交流重賞5勝の名牝で、祖母ヘヴンリーロマンスは天皇賞・秋勝ち馬という良血です。父Frankelは世界的名馬で、本馬はその産駒らしくパワーと持久力を備えています。
- 戦績・クラス: 昨年12月阪神の新馬戦3着後、今年1月中京の未勝利戦(芝2000m)で初勝利。格上挑戦でホープフルS(GI)にも果敢に出走(結果着外)。その後1勝クラスで勝ち星を挙げ、通算6戦2勝。若葉ステークス(L)では6着に敗れましたが、直近の福島遠征で1勝クラスを勝っており再上昇ムードです。
- 直近レース: 前走ひめさゆり賞(福島2000m)では1番人気に応えて2馬身差の快勝。後方待機から直線一気の競馬で、勝ちタイム1分58秒8は福島コースとして優秀。上がりもメンバー最速で、ハイペースをものともせず差し切った内容は圧巻でした。中2週での関西圏への戻りとなりますが、レース後の疲労は少なく陣営も好調キープをコメント。
- 追い切り: 前走から中2週と間隔が短いため、最終追いは坂路で馬なり中心に調整程度。それでも4F53秒8-ラスト12秒3と軽快な脚取りを見せ、状態維持に努めました。過去にはCWコースで6F80秒台を出したこともあり、ピークの負荷は既にかけ終わっている印象。ひめさゆり賞を勝った反動もなく、馬体の張りも良好です。
- 騎手: 新馬戦から手綱を取る荻野極騎手が引き続き騎乗します。前走では後方策からの差し切りを成功させており、「乗り難しいところがあるがハマれば破壊力がある」と騎手も手応えを感じています。重賞初騎乗となりますが、勢いに乗って積極的なレース運びを見せるでしょう。
ナグルファル (牡3) Naglfar
血統: 父エピファネイア|母ランドオーバーシー (母父Bellamy Road)
生産: 社台ファーム(千歳市)
戦績: 4戦2勝(芝2000m) – 未勝利→1勝クラス連勝、GII出走歴あり
主な近走: 2025年弥生賞(GII) 12着/2024年エリカ賞(1勝クラス) 1着
最終追い切り: 5/5栗東坂路54.6-39.7-25.4-12.4(強め)
騎手: 前走: 川田将雅 → 今回: 浜中俊(乗替わり)
- 血統背景: 母ランドオーバーシーは米G2勝ち馬でケンタッキーオークス2着の実績馬。父エピファネイア譲りの持久力と、米国牝系のスピードを併せ持ちます。社台レースホースのクラブ馬で、杉山晴紀調教師が管理。
- 戦績・クラス: 2歳秋に阪神芝2000mの未勝利戦を勝ち上がり、続くエリカ賞(1勝クラス)では4馬身差の圧勝劇を披露。3戦無敗で迎えた弥生賞(GII)では3番人気に推されるも12着と初黒星を喫しました。通算4戦2勝で重賞2戦目。今回はクラシック路線の巻き返しを懸けた一戦です。
- 直近レース: 前走の報知杯弥生ディープ記念(弥生賞)では、好位のインにつけるも直線伸びを欠き12着と大敗。道悪馬場と初の中山コースに戸惑った可能性があります。それまでの3戦は全て京都・阪神コースで完勝していただけに、舞台が再び関西の京都に替わる今回で改めて見直せる余地があります。陣営も「相手強化と展開が向かなかった」と度外視の構えです。
- 追い切り: 前走後は放牧を挟みリフレッシュ。帰厩後は坂路・CWで乗り込み、最終追いは坂路で強めに追われて4F54秒6と平凡ながら及第点の時計。前走で減った馬体も回復しており、動きも素軽さを取り戻しています。1週前にはCWコースで長めから追われており、負荷十分で態勢は整いました。
- 騎手: 川田騎手から浜中俊騎手への乗り替わり。前走手綱を取った川田騎手が別馬(ショウヘイ)に騎乗するためで、浜中騎手は管理する杉山晴厩舎と縁が深く信頼も厚い騎手です。初コンビとなりますが、スタートの上手い浜中騎手が序盤からリズム良く運べれば、本来の粘り強い走りが引き出せそうです。
ネブラディスク (牡3) Nebra Disk
血統: 父ドゥラメンテ|母リリサイド (母父American Post)
生産: ノーザンファーム(安平町)
戦績: 3戦1勝(芝1800m) – 新馬戦勝ち、重賞GIII3着あり
主な近走: 2025年毎日杯 GIII (阪神芝1800m) 3着/2025年共同通信杯 GIII 4着
最終追い切り: 5/5栗東CW5F67.4-52.5-37.8-11.5(強め)
騎手: 前走: 武豊 → 今回: A.シュタルケ(新コンビ)
- 血統背景: 半姉に2019年年度代表馬リスグラシューがいる良血馬。母リリサイドは仏1000ギニー2着馬で、これまで産駒が活躍馬を多数輩出しています。本馬も金子真人ホールディングスの所有馬で、福永祐一調教師の管理馬。名牝の半弟として期待がかかります。
- 戦績・クラス: 2歳暮れに阪神芝1800mの新馬戦を勝利後、今年2月の共同通信杯(GIII)で4着、3月の毎日杯(GIII)で3着と重賞で連続好走。通算3戦1勝ながら、既に重賞で馬券圏内の実績があり、オープンクラスへのメドは立っています。重賞経験値はメンバー中でも上位。
- 直近レース: 前走毎日杯では5番人気ながら鋭い末脚で3着に食い込みました。勝ち馬から0.2秒差、武豊騎手の的確なエスコートで直線追い込むも及ばずという内容。一方、共同通信杯では先行策から粘って4着(0.3秒差)と、展開問わず力を発揮。今回は距離2200mに延びますが、半姉リスグラシューも宝塚記念を制しており距離適性は問題ないでしょう。
- 追い切り: 最終追いはCWコースで5Fから強めに追われ、ラスト1Fを11秒台半ばでまとめてきました。併せ馬では僚馬を大きく突き放し、休み明け3戦目でも状態はさらに上向き。陣営は「前走4着以内のデータに該当し好調」と展望しており、調整も順調です。中間は坂路と併用して負荷をかけ、福永調教師自身が「動きにキレが出てきた」と評価しています。
- 騎手: 武豊騎手がトッピボーンに騎乗するため、今回はドイツの名手アンドレアシュ・シュタルケ騎手との新コンビとなります。シュタルケ騎手は短期免許で来日中で、このレースでも騎乗経験があります。初騎乗の難しさはありますが、重賞の舞台で勝負強い騎乗ぶりに定評があり、半姉で果たせなかったクラシック制覇に向け腕を振るうでしょう。
ブリヤディアマンテ (牡3) Brillar Diamante
血統: 父サトノダイヤモンド|母スパークオンアイス (母父シンボリクリスエス)
生産: ノーザンファーム(安平町)
戦績: 5戦1勝(芝2000m~2400m) – 3歳未勝利1着のみ、今回が昇級初戦
主な近走: 2025年3歳未勝利 (阪神芝2400m) 1着
最終追い切り: 5/5美浦南W5F68.9-53.4-38.8-11.9(強め)
騎手: 前走: 横山琉人 → 今回: 未定
- 血統背景: 曾祖母は名牝トゥザヴィクトリーで、その直系に当たります。父サトノダイヤモンドは菊花賞馬、母スパークオンアイスは2勝馬で母父にシンボリクリスエス。スタミナと底力の血統背景ですが、近親にクラシック勝ち馬も多い良血です。小島茂之厩舎所属の関東馬。
- 戦績・クラス: 2歳時からデビューするも4戦で勝ち切れず、今年3月の阪神芝2400m未勝利戦でようやく初勝利を挙げました。通算5戦1勝(2着0回)で、今回が1勝クラス卒業直後の重賞挑戦となります。収得賞金はわずか400万円で、賞金面からもここでの好走が求められます。
- 直近レース: 前走の未勝利戦(阪神芝2400m)では4番人気ながら、道中は中団馬群の中で折り合いをつけ、直線で前を行く人気馬を半馬身差差し切って初勝利。勝ち時計2分41秒3(稍重)は平凡ですが、長丁場でスタミナを示した点は収穫です。一戦毎にレースぶりが良化しており、昇級戦でも展開がハマれば浮上の余地があります。
- 追い切り: 未勝利勝ち後は在厩調整で、中間も南Wコースで長めから乗り込まれています。最終追いは南Wで5F69秒を切るまずまずの時計をマークし、しまい1Fも11秒台と鋭さを見せました。馬なり主体で状態維持に努めており、昇級初戦でも力は出せるデキにあります。併走馬に先着する動きで、動き自体は地味ながら確実に良化傾向です。
- 騎手: 現時点で鞍上は未定です(想定では横山和生騎手や横山琉人騎手の名前も挙がりましたが決まらず)。美浦所属馬のため関西遠征で手薄になりがちですが、レース当日までに決定予定です。乗り替わりが続く形にはなりますが、騎手との手探り状態を克服してどこまで食い込めるかが課題です。
リアライズオーラム (牡3) Realize Aurum
血統: 父オルフェーヴル|母オリヒメ (母父Majestic Warrior)
生産: 社台コーポレーション白老ファーム(白老町)
戦績: 8戦1勝(芝1800m~2200m) – 未勝利1勝、GⅠ出走歴あり
主な近走: 2025年1勝クラス・アザレア賞 (阪神芝2200m) 2着/2024年ホープフルS GⅠ 12着
最終追い切り: 5/5栗東坂路55.2-39.9-25.7-12.7(馬なり)
騎手: 前走: 鮫島克駿 → 今回: 未定
- 血統背景: 父オルフェーヴル×母父Majestic Warriorというスタミナとパワーを併せ持つ配合。母オリヒメ(USA)は現役時未勝利も血統背景は良く、近親に米GI馬もいるラインです。須貝尚介厩舎に所属し、総額4840万円で取引された素質馬。
- 戦績・クラス: 2歳夏から使われ新馬戦は2着。その後ホープフルステークス(GI)にも果敢に挑戦しました(結果12着)。3歳春にようやく未勝利を脱出し1勝クラスに昇級。現在8戦1勝2着3回と勝ち切れない競馬が続いていますが、常に上位争いしてきた経験があります。今回が重賞初連対を狙う一戦。
- 直近レース: 前走アザレア賞(阪神芝2200m)では直線で抜け出しかけるも、ゴール前で差されクビ差の2着惜敗でした。馬体重500kgの大型馬で、長く良い脚を使うタイプ。トッピボーンとは4/19阪神の1勝クラスで直接対戦があり、その時は4馬身突き放される2着だっただけに、雪辱を期すレースとなります。
- 追い切り: 前走後は放牧でリフレッシュし4月下旬に帰厩。最終追いは坂路でしまい軽く仕掛けられる程度ながら、4F55秒2と順調な調整過程を示しました。まだ馬なり主体で、本番へ向けて上積みを残す仕上げとも言えますが、もともと叩き良化型だけに実戦でどこまで変わるか。陣営は「使いつつ良くなるタイプでまだ良化途上」と語りますが、能力的には差のない存在です。
- 騎手: 鞍上は未定ですが、前走に騎乗した鮫島克駿騎手は同日他場で騎乗予定のため乗れず、須貝厩舎ゆかりの騎手から選択される見込みです。これまで岩田望来騎手やC.ルメール騎手など6人もの騎手が騎乗しており固定されていませんが、どの騎手でも堅実に走れている点は強みです。新コンビとなっても持ち味のしぶとさを発揮できるかがカギでしょう。
ロットブラータ (牡3) L’Ottobrata
血統: 父エピファネイア|母エマノン (母父ハーツクライ)
生産: ノーザンファーム(安平町)
戦績: 5戦1勝(芝2000m~2400m) – 未勝利→1勝クラスで連対多数
主な近走: 2025年大寒桜賞 (中京芝2200m・1勝クラス) 3着
最終追い切り: 5/4栗東CW6F83.0-67.3-52.4-37.8-11.7(強め)
騎手: 和田竜二(継続騎乗)
- 血統背景: 祖母ピラミマはディープインパクト産駒マカヒキ(ダービー馬)の近親にあたり、母エマノンは現役時に2勝した良血馬。本馬は父エピファネイア譲りのしぶとい末脚と、母系由来の瞬発力を秘めています。馬主は丸山担氏、平田修厩舎所属。
- 戦績・クラス: 2歳暮れのデビュー戦3着後、3歳2月に京都芝2400m未勝利戦を勝利。続く1勝クラス戦でも連続して馬券圏内を確保し、通算5戦1勝ながら2着1回3着2回と安定感があります。重賞・オープン競走は初めてですが、既に芝2000m以上で実績を積んでおり距離適性は十分です。
- 直近レース: 前走大寒桜賞では好位追走から直線で一旦先頭に立つ場面もありましたが、ゴール前でエムズなどに交わされ3着。ただ勝ち馬エムズとは0.6秒差と大きく離されておらず、2着馬とはタイム差なしの接戦でした。長く良い脚を使えることを示しており、広い京都コース替わりはプラス材料でしょう。
- 追い切り: 中5週で十分に乗り込まれ、最終追いはCWコース6F83秒0から終い1F11秒7と鋭い伸びを見せました。併せ馬では馬なりのまま同入し、動きに余裕があります。1週前には坂路で4F52秒台をマークする自己ベストに近い時計を出しており、状態面は文句なし。初の右回り京都コースに備えコーナーでの手前替えも練習済みです。
- 騎手: デビュー2戦目以降手綱を取る和田竜二騎手が引き続き騎乗。和田騎手とのコンビでは【1-1-2-0】とオール連対で相性抜群。先行策から粘り込む競馬を得意としており、長丁場でペース判断に長けた和田騎手なら、この馬のしぶとさを最大限に引き出す騎乗が期待できます。
ヴォラヴィア (牡3) Vola Via
血統: 父エイシンフラッシュ|母パリュール (母父リンカーン)
生産: 山岡牧場(新冠町)
戦績: 3戦1勝(芝1800m~2000m) – 3歳未勝利1勝のみ
主な近走: 2025年3歳未勝利 (小倉芝1800m) 1着(2月)
最終追い切り: 5/4栗東坂路52.8-38.4-24.9-12.3(強め)
騎手: 前走: 秋山稔樹 → 今回: 未定
- 血統背景: 父エイシンフラッシュは東京優駿馬、母パリュールは中央未勝利も、祖母パリスセイリュウは桜花賞馬マックスビューティの一族に連なります。中小牧場生産の叩き上げで、馬体重500kg近い雄大な馬格が特徴です。杉山佳明厩舎所属。
- 戦績・クラス: 2歳暮れに京都でデビューするも11着、今年2月に小倉芝1800mで3戦目にして初勝利を挙げました。通算3戦1勝で重賞初出走となります。1勝クラスへの出走経験がなく、いきなりGII挑戦と格上挑戦の形になりますが、勝ち上がりの勢いに賭けての参戦です。
- 直近レース: 前走の未勝利戦(2月小倉芝1800m)では、道中は後方3番手から脚を溜め、直線大外から鋭く伸びて差し切り勝ちを収めました(※レース映像より)。上がり3F33秒台後半(推定)と小倉の速い馬場に乗じたもので、展開がハマった感もありますが、半兄にダートOP馬がいる血統ながら芝で切れる脚を見せた点は収穫です。
- 追い切り: 3月上旬に放牧を挟み、4月中旬に帰厩。最終追いは坂路で自己ベストに迫る52秒8をマークし、終いも12秒3と鋭さ十分でした。併せた古馬2勝クラスを問題にせず先着しており、一戦毎に力をつけている印象です。調教からは1勝馬でも侮れない好調ぶりが伝わります。
- 騎手: 前走で手綱を取った秋山稔樹騎手は他競馬場で騎乗のため、鞍上は未定となっています。想定では引き続き西の若手騎手が起用される可能性があります。初の長距離輸送や初の京都コースなど課題は多いですが、未知の魅力も秘めており、鞍上の手綱に託す部分が大きいでしょう。
★ トッピボーン (牡3) Toppi Born
血統: 父リアルスティール|母チカノワール (母父ハービンジャー)
生産: フジワラファーム(新ひだか町)
戦績: 2戦2勝(芝2000m) – 未勝利→1勝クラスを連勝中
主な近走: 2025年4月19日 1勝クラス (阪神芝2000m) 1着
最終追い切り: 5/7栗東坂路52.8-38.2-24.0-12.6(強め)
騎手: 武豊(継続騎乗)
- 血統背景: 父リアルスティール(皐月賞2着馬)はディープインパクト直仔で、母チカノワールは現役時3勝を挙げた中距離馬。その母系は社台ファームの名牝系で底力があります。本馬は松島一晃オーナーの所有馬で、笹田和秀調教師が管理。クラシック戦線でも注目された素質馬です。
- 戦績・クラス: 3歳1月に中京芝2000mの未勝利戦でデビューし、いきなり2馬身以上差の圧勝で初勝利。その後春は無理にクラシック路線に乗らず休養を挟み、4月の阪神1勝クラス(芝2000m)で復帰して4馬身差の圧勝劇を披露しました。現在2戦2勝で無敗のまま重賞初挑戦に臨みます。※皐月賞には出走せず、この京都新聞杯が初のオープンクラス出走となります。
- 直近レース: 前走の3歳1勝クラス(阪神芝2000m)は単勝1.5倍の断然人気に応える内容でした。スタートで行き脚がつかず道中最後方からの競馬となりましたが、3コーナー過ぎから一気に捲って直線半ばで先頭に立つと、そのまま後続を突き放し2着リアライズオーラムに4馬身差の完勝。勝ち時計1分57秒9は3歳1勝クラスとして史上最速タイムであり、上がり3F33秒8の豪脚は他馬を圧倒しました。その圧巻の内容からネット競馬の予想オッズでも本レース1番人気に推されています。
- 展開適性: 後方一気の豪快な差し脚が武器ですが、未勝利戦ではスローペースを好位追走から上がり最速で押し切る器用さも見せています。京都芝2200mは坂のない下りのあるコース形態で、瞬発力と持続力が問われる舞台。トッピボーンの鋭い決め手は大きな武器であり、舞台適性は高いと考えられます。折り合い面に課題はありますが、仮にスローペースになっても3コーナーの下り坂で一気に捲る戦法も可能で、展開に左右されにくい点も強みです。
- 追い切り: 最終追い切りは栗東坂路で僚馬(3歳未勝利)を1馬身半追走する形からスタートし、残り1F標で前に出て2馬身先着しました。少し行きたがる面を見せましたが、ラスト1Fは12秒6(4F全体54秒3)と力強い伸び。笹田調教師も「動きは力強かった。折り合って運べれば」と好感触をコメントしています。1週前にはCWコースで6F82秒台を馬なりでマークしており、デキは文句なし。今回がベストと言える仕上がりです。
- 調教推移: 未勝利戦前から坂路で自己ベスト52秒台を計時するなど調教駆けするタイプでしたが、休養を経て馬体が成長しパワーアップ。復帰戦前もCWで古馬オープン馬相手に互角の動きを見せていたほどで、ここにきての充実ぶりは目を見張るものがあります。追い切りタイムの迫力はメンバー中でも随一で、状態面の不安はありません。
- 騎手: レジェンド武豊騎手がデビュー戦から手綱を取り続けています。前走は大胆な捲りを敢行し圧勝に導くなど、この馬の素質を誰よりも理解している騎乗でした。今回も引き続きコンビ継続となり、「ダービーに挑みたい」との思いも武騎手にはあるはず。京都コースは武騎手のお膝元でもあり、折り合いに気をつけつつ持ち味を存分に発揮する騎乗が期待されます。陣営も「能力は高いので折り合って運べればチャンス」(笹田師)と手応えを掴んでおり、ここでも有力な一頭です。
Sources: 各馬の血統・戦績、近走内容、追い切り・調教師コメント、騎手・陣営情報など。